LOC

LOCはlevel of consciousness(意識レベル)の略である場合と,loss of consciousness(意識消失)の略の場合がある。しかも,どちらもよく似た状況(救急搬送)でカルテの冒頭に来ることが多いので要注意だ。
しかし大抵は前後の文脈で判断できる。

〔例〕LOC:clear→意識レベル:清明  

〔例〕QQ車にて搬送,LOC,LR(-)→救急車にて搬送,意識なし,対光反射なし

loss of consciousnessはほとんどの辞書に載っているが,level of consciousnessは掲載されていないことが多い。
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# by charttranslator | 2005-04-18 22:44 | カルテ解読のヒント | Comments(0)

CPとpap

あるカルテに「症状はCPで改善」とあった。医学略語辞典では略語がCPとなる用語は数多く載っているがどれも当てはまらなかった。ネット検索でも同様であった。ところがカルテの後ろの方にMS冷CP200g×3Pという記述があった。そう,CPは湿布の略であった。CPの「シーピー」と湿布の「しっぷ」の音が似ているためと思われる。確かに漢字で湿布と書くのは面倒だし,「しっぷ」や「シップ」と書くと格好悪い。
一方,湿布(またはパップ剤)のことをpapと表記することがある。pap(略語ではない)を辞書で引くと「パン粥」となっている。そしてパップ剤は辞書ではcataplasmやpoulticeとなっている。つまり,辞書の上ではpap=パップ剤にはならない。もともとパップ剤は,粥状にした薬剤を布かなにかに塗りつけ,それを患部に当てていたそうなので,日本語の「パップ剤」の語源がpapであることは不思議ではない。
このあたりの語源や湿布とパップ剤との関係などに詳しいサイトがある。「パップ剤」でグーグル検索するとすぐに見つかる。
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# by charttranslator | 2005-04-17 10:41 | 俗語 | Comments(0)

反射

反射の略語は短いものが多く,正解にたどりつけないことがあるが,外傷患者のカルテで以下の条件を満たしていれば,反射に関するものと見て間違いない。

・SOAPのO(客観的情報)のところに記載されている。
・近くにMMT(徒手筋力検査)の記述がある。
・近くに握力や大腿周径の記述がある。
・略語の最後の文字がR

BBR:biceps brachii reflex  上腕二頭筋反射
BR:biceps reflexの略  上腕二頭筋反射  BSRと表記されることもある
BRTR:brachioradialis tendon reflex の略  腕橈骨筋腱反射,腕橈骨筋反射
Hof:Hoffmann's reflexの略  ホフマン反射  カルテでは近くにトレムナー反射(Troemner's reflex,oeはoウムライト)も記載されていることが多い。
LR:light reflexの略  対光反射
TR:triceps reflexの略  上腕三頭筋反射  TSRと表記されることもある
TR:tendon reflexの略  腱反射
UR:ulnar reflexの略  尺骨反射
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# by charttranslator | 2005-04-14 20:09 | カルテ解読のヒント | Comments(0)

MRIに関する略語

最近のカルテではMRIの所見がよく記載されているが,MRI用語はまだ市販の医学辞書に掲載されていないものが多い。しかし,MRI所見は放射線科の医師が読影し,その結果を他科の医師(主治医)に向けて報告するのが通例のようで,放射線科だけで通用するような専門用語はそれほど多くない。私が遭遇した主な略語を以下に列挙する。

AX:axial sectionの略 軸位断,水平断
B-FFE:balanced-fast field echoの略 正式な日本語訳は見つけられなかった。
DR:dynamic range の略 ダイナミックレンジ
FLAIR:fluid attenuated inversion recoveryの略 正式な日本語訳は見つけられなかったが,「フレア画像」「フレア撮像」あるいは単に「フレア」と,略語の読みで用いられることが多いようだ。IR(inversion recovery,反転回復法)の一種らしい。
FSE:fast spin echoの略 高速スピンエコー
high:high intensity(またはsignal)areaの略 高信号域
low:low intensity(またはsignal)areaの略 低信号域
SAG:sagittal sectionの略 矢状断
SE:Spin Echoの略 スピンエコー
SI:signal intensityの略 信号強度
T1WI:T1 weighted imageの略 T1強調画像
T2WI:T2 weighted imageの略 T2強調画像

MRI用語に関しては充実したサイトがグーグル検索ですぐに見つかるので,詳しい意味はそちらで確認していただきたい。
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# by charttranslator | 2005-04-12 21:30 | カルテ解読のヒント | Comments(0)

ガーゼ(包帯)交換

外傷後や手術後にはガーゼ(包帯)交換を示す略語がよく見られる。
GWがGaze Weckselの略であることは有名だが,VW(Verband Wecksel),GC(gauze changing),DC(dressing change),CD(changing dressing),GE(gauze exchange)なども用いられる。また,「G交」という表記も多い。
ドイツ語で「交換する」という意味のaustauschenを略してAUSとしているカルテもある。アウスと言えば一般的には人工妊娠中絶(Ausraeumung,aeはaウムラウト)のことを指すので,最初はびっくりした。患者は男性だったので。

〔例〕aus:wound wet → ガーゼ交換:創部は湿潤
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# by charttranslator | 2005-04-09 11:49 | カルテ解読のヒント | Comments(0)

理学療法の略語

理学療法にまつわる略語は市販の医学略語辞典に載っていないことが多い。

MSEはmuscle strengthening exerciseの略で,筋力増強訓練
AKAはarthrokinematic approachの略で,関節運動学的アプローチ
Trはtractionの略で,牽引
dyjocはdynamic joint control(training)の略で,動的関節制動訓練
DFMはdeep friction massageの略で,深部摩擦マッサージ
STMはsoft tissue mobilizationの略で,軟部組織モビライゼーション(軟部組織モビリゼーション)
STMはsoft tissue manipulationの略という説もあるが,その正式な日本語訳は知らない

例えばカルテの理学療法の箇所に,P:MSE,AKA,pully と書いてあったとしたら

プログラム:筋力増強訓練,関節運動学的アプローチ,プーリー運動

という意味である。

医師がカルテによく用いるSOAPのPはプラン(治療計画)だが,理学療法でのPはプログラムを指すことが多いようだ。
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# by charttranslator | 2005-04-06 23:26 | カルテ解読のヒント | Comments(0)

圧をかけたら圧痛

カルテではTd(TD),Tn(TN),De(DE),Ds(DS)など,圧痛を示す略語が多く見られる。
Td,Tnはtendernessの略語,DeはDruckempfindlichkeit,DsはDruckschmerzの略語である。
略語だけが単独で出てくるとわかりにくいが,圧痛のある部位が併記されていることが多い。
あるいは下図のように矢印でTd(+)などと書かれていたりする。
あるカルテにどう考えても圧痛らしき箇所にTOPと書かれていた。いろいろ調べてもTOP=圧痛を確認するに至らなかったが,英語でtenderness on pressureという表記が多く見られることに気づいた。これの略語ならTOPとなる。しかし,tenderness on pressureを直訳すると「圧をかけたときに圧痛」ということになる。「夢を夢見る」ようなものか。d0003249_23465562.gif
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# by charttranslator | 2005-04-04 23:49 | カルテ解読のヒント | Comments(0)

辞書について

最近では電子辞書というとシャープやカシオが市販している電子手帳型のものを指すことが多いが,私にとっての電子辞書とはパソコンにインストールして用いるものである。通常の電子辞書は辞書のデータ本体とそのデータを閲覧するための検索ソフトから成っている。EPWINGという規格があるものの,ある辞書の検索ソフトでは他の辞書のデータを読めないということが一般的である。つまり,ひとつの単語を複数の辞書で検索するにはその辞書の数だけ検索ソフトを起動し,それぞれの検索窓に単語を入力しなくてはならない。コピー&ペーストできるといっても面倒である。このような面倒くささを解消してくれるソフトウェアがDDWINやJammingなどの電子辞書ブラウザである。
私はJammingという電子辞書ブラウザを活用している。このソフトはシャアウェアであり,私はもちろん正規ユーザーである。Jammingは様々な規格の辞書に対応しており,検索語を一回入力するだけで複数の辞書を調べられるため,非常に便利である。これがないと仕事にならないくらいだ。辞書本体を数えたら,ユーザー辞書も含め45個(45冊と呼ぶべきか?)であった。もちろんこの中には国語辞典など,医学に関係ない辞書も含まれているため,カルテ翻訳用に「医学+独語」という辞書セットを作ってある。

略語を検索していて「あっ,これだ」と見つかるのは「ステッドマン医学略語辞典」「プラクティカル医学略語辞典」「金芳堂医学略語辞典」が多い。金芳堂医学略語辞典は本のカバーについているマークを金芳堂に送るとCD-ROMがもらえるが,このままだとJammingで検索できないため,少し苦労してユーザー辞書形式に移植した。ただ,ドイツ語のウムラウトの処理ができていないため,ウムラウトの箇所のみ文字化けしている。また,カルテ翻訳の仕事のなかで見つけた,どの辞書にも載っていないような用語は「jammingユーザー辞書」と名付けたユーザー辞書に登録している。このブログの原稿も,ユーザー辞書のなかから変な略語をひろってきて書いている。残念なのは,昔(といっても最も古くて2年前)に“採集”した略語ではどうやって見つけたかを忘れていることである。また,「ステッドマン医学略語辞典」のCD-ROMが市販される前に独自に見つけた略語がこの辞書に掲載されていたりすると,「他の辞書には載っていないアブレ略語」ではなくなってしまう。

カルテ翻訳の仕事そのものは退屈であるが,どの辞書にも載っていない略語の意味を発見できたときは快感に近いものを感じる。一件の仕事で見つかるアブレ略語は,カルテの厚さにもよるがだいたい5~10個といったところか。苦労して意味を発見できた略語は覚えていることも多いが,数が増えてくると忘れることもある。しかしアブレ略語はすべてインデックスを付けてJammingのユーザー辞書に登録してあるため,高速で検索できる。
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# by charttranslator | 2005-03-27 10:08 | 辞書 | Comments(0)

1文字が省略される

腹式単純子宮全摘術は英語でtotal abdominal hysterectomyまたはabdominal total hysterectomyなので,略語はTAHまたはATHである。ところがこの手術はATと略されることがある。“AT”はグーグル検索ではストップ文字なので,通常検索では検索対象とならない。ストップ文字も検索対象に加えると,当然前置詞の“at”も含まれる。どちらにしてもAT=腹式子宮全摘術にたどり着くのは難しい。しかし,なぜ一番大事そうなhysterectomyの“H”を省略するのか。子宮を切除する手術は腹式単純子宮全摘術の他,広汎子宮全摘術,準広汎子宮全摘術,腟式子宮全摘術など様々な方法がある。私の勝手な推測を述べるなら,「子宮を摘出するのはわかっているけど,どういう術式?」と聞かれれば,開腹アプローチ(abdominal)で全摘(total)という意味で“AT”とだけ答えれば事足りたからではないだろうか。

同じく1文字が省略されるものに筋肉の名称がある。
TAはtibialis anterior muscleの略で前脛骨筋,GCはgastrocnemius muscleの略で腓腹筋である。いずれもmuscleのMは略語に含まれていない。
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# by charttranslator | 2005-03-21 22:33 | カルテ解読のヒント | Comments(0)

ウムラウトと漢字

整形外科のカルテでは頚椎のことをHWSと表記することがある。HWSはドイツ語のHalswirbelsaeuleの略である。本来Halswirbelだけで「頚椎」で,saeuleは「柱」なので「頚椎柱」になってしまうが,あまりこの呼び方はしない。ここでsaeuleのaeはaウムラウト,つまりaの上に2つの点がついた文字である。同様にoウムラウトはoe,uウムラウトはue,エスツェットはssと表記するのがデジタル文書の約束事らしい。一文字や二文字の略語に比べ,三文字となるとネット検索で比較的簡単に見つかることが多いが,このHWSだけをキーワードに「頚椎」にたどり着くのは難しいと思う。仮に「HWS=頚椎」という答えに近づいたとして,最後に「Halswirbelsaeule=HWS」を確認しようとしたとき困るのは,Halswirbelsaeuleのウムラウトを無視してHalswirbelsauleと表記されている場合があることだ。同じような問題は日本語にもある。「HWS=頸椎」と明記しているサイトがあったとしても,“頚椎”&“HWS”で検索した場合には引っかかってこない。
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# by charttranslator | 2005-03-21 00:44 | カルテ解読のヒント | Comments(0)