インスリンを投与するとき,mlやmgではなく「単位」という単位で表記される。
〔例〕毎食前に速効型インスリン4単位皮下注
この「単位」の略としてU(unitsの略)が用いられる。
〔例〕インスリン8Uを自己注射後,意識消失
ドイツ語で「単位」の意味であるEinheit(複数形はEinheiten)の頭文字Eを用いている施設もある。
〔例〕インスリン朝4E 夕4E
UだとV(バイアル)と読み間違える危険性があるため,Uの代わりにEを用いていると聞いたことがある。確かに,EならVと見誤ることはないだろう。
4U(4単位)を4V(4バイアル)と間違えるとどうなるか。
例えばヒューマリンR注U-40には1バイアルに400単位(10mL)が入っている。さすがに皮下注では4バイアル分(40mL)を投与するのは無理だが,点滴内投与や,50mLのシリンジとシリンジポンプを用いた持続静注では間違いが生じうる(50mLのシリンジを用いた持続静注にインスリン4単位だけというのもないだろうが)。
4単位投与するはずが,400×4=1600単位ものインスリンを投与されたなら,おそらく・・・。